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雑談

タワー数~とてつもなく大きい数字~

そこに山があるから山に登る
そこに海があるから海に潜る
そこに数字があるから数える

無限には大小があるということを耳にしたことはありませんか?
これは無限を扱う基本的な考え方なのですが、この事実に気づくまでに人類は数千年の時間を必要としました。
そのように無限が解き明かされる中ので、それより低い有限は簡単になったと思われるかもしれまん。
ところがその逆なんです。有限の数字もかなり奥が深いですよ。

さて問題です。三つの数字で表せる最大の数字は何でしょうか?
答えは
9の9乗の9乗
です。
大きい数字を扱うときに使われるのは指数表記です。
光の速度は秒速3掛ける10の8乗メートル、電子の重さは9.1掛ける10のマイナス31乗キログラムといった具合で
表されますね。
さて、先ほどかいた9の9乗の9乗はどれくらいの桁数なのでしょうか?
ちなみに9の9乗は387420489です。これの9乗となるともはや今のコンピュータでも扱えない数字となります。
数学ソフトMathematicaにこの計算をすると、オバーフローを起こし、できませんとコンピュータから返答が
帰ってきます。
しかし、コンピュータのなかった時代に9の9乗の9乗は計算されています。どうやって計算したんでしょうね。
計算結果、なんと3億6969万3100桁の数字でした。
A4用紙一枚に2000文字印字するならば、A4用紙が13万4846枚必要になります。
9の9乗の9乗を10進数で表現することはたやすいことではありませんね。
指数のおかげで大きい数字が実に理解しやすい数字になったものです。

しかし、指数表記で表現できない意味のある数字を人類は発見しました。
それをグラハム数といいます。グラハム数の説明は、少し難しいので、ここでは止めておきたいと思います。

私が感銘を受けたのは、そのグラハム数を表現するときに用いた記号です。

ズバリ「↑」と書いてタワーと読みます。
3↑1=3
3↑2=3の2乗
3↑3=3の3乗
3↑4=3の4乗
のような使い方で、
9の9乗の9乗は9↑↑9と表現されます。
ここで少し面白いのがこの宇宙に存在する全粒は10の80乗個ほどといわれています。素粒子1個で1つの数字を
印刷したとしても10の80乗桁の数字しか印刷できないのです。
3を約3.6兆個掛け算した数3↑↑5はもはやこの宇宙では展開できないほど大きい数字なのです。
そうなると3↑↑↑↑3なんて書くともうそれはとてつもなく大きい数字なわけです。

書ききれない数字でありますし、その実際の大きさに意味なんていものもないのかもしれませんが、
人間の脳は、そんな大きさを創造してしまうわけです。
本当に人間の脳こそ宇宙ですね。いったいどうなっているのでしょうね。

すこし話しが逸れましたが、私たちが知っている「大きい」を表す数々の言葉は、その増え方が一定なのです。
億、兆、京、・・・無限大数
メガ、ギガ、テラ、・・・、ヨタ
算術的と言い換えることもできますね。

マルサスの人口論で
「食料は算術級数的に増加するのに対して、人口は幾何級数的に増加する」
というものがあります。算術級数とは、さきほどの算術的ということです。
幾何級数とは指数関数的ということで簡単にいえば爆発的という意味です。
自然現象は、ビックバンから人口増加、細胞分裂まで指数関数的で説明がついてしまうそうです。

それに対してタワー数は指数関数の指数関数的とでもいうべき増え方をする関数です。これにあたる
自然現象がありませんから、これに対する言葉ばないのは当然とも言えます。

自然現象にないことまで、数字・数式で表してしまう人間の探求心に、まだまだ人間の可能性を感じています。
おそらく、人間の探求心に終わりはないというのは確かでしょう。ロマンですね。

そしてこんなに大きい数字のはるか先の大きさが無限です。正確には先ではなく、
違う概念でしょうね。
無限の話はまた今度にしようと思います。

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