ChatGPTのブレークスルーによって空前のAIブームですね。
私が進路を考えるころ、人工知能の研究をしている大学を探したりもしました。
当時は、大阪大学浅田教授のロボットサッカーが有名でした。
エンジニアとしてキャリアはドロップアウトしてしまいましたが、40という年齢になり、
またエンジニアリングに少し興味がでてきましたので、ちょろっとAIの歴史について
まとめてみたくなりましたのでまとめてみます。
AIの始まり
人工知能の起源は、イギリスの数学者アラン・チューリングの1950年の論文
「計算する機械と人間」にあります。
この論文では「機械が人間のように思考することができるか?」という問いに対して
チューリングテストという実験を提案しました。この実験は人間と機械を隔てた
カーテン越しに会話を行い、人間が機械と会話しているのか、それとも人間と会話しているのか
どうかを判断することで、機械が人間のように思考することができるかどうかを評価する
ものでした。
その後、1956年ダートマス会議で「人工知能」の研究が始まりました。ダートマス会議は
ダートマス大学で開催された研究会議です。当時、ダートマス大学に在籍していた
ジョン・マッカーシーが主催しました。会議のコンセプトはマービン・ミンスキーが
提唱しました。
第一次AIブーム
1956年から1960年代のことです。
このころには、コンピュータで「推論」「探索」が可能になりました。
推論は人間の思考を記号で表現するもので、探求は答えに対して解き方のパターンを
場合分けして探し出すことです。
有名な成果としては
- 1958年ニューラルネットワークのパーセプトロン
- ジョセフ・ワイゼンバウムの自然言語処理プログラム「イライザ」
パーセプトロンは基礎となるアルゴリズムのことです。このアルゴリズムで
機械学習の基本、「回帰」「分類」を行うことができます。
イライザは現在のappleのSiriの起源ともいわれています。
期待が大きすぎたことやコンピュータの性能の制限により人工知能の
研究は停滞期に入ることになります。
第二次AIブーム
1980年代のことです。
機械学習が開発されました。これらによりエキスパートシステムの実現が
なされました。専門知識をコンピュータに学習させて、問題解決をさせるというものです。
多くの大企業はエキスパートシステムを商用利用していました。
出来事としては
- 1984年知識記述のサイクプロジェクト
- 1986年誤差逆伝播法の発表
がありました。
サイクプロジェクトとは知識のデータベースを作って、人間と同じように
推論をさせるプロジェクトです。
誤差逆伝播法はアルゴリズムであり、ディープラーニングの主な手法となっています。
機械学習させること自体のコストが原因でブームは停滞期を迎えることになります。
現在(第三次AIブーム)
ディープラーニングが発展しています。
背景としては、コンピュータの高性能化とインタネットの普及でデータの収集が容易になった
ということがあります。
ディープラーニングは画像認識の精度を上げました。顔認証システムの精度はすさまじいものが
あります。駅前のマスク利用率が監視カメラで判定されたりしています。
統計的自然言語処理の発展もあります。これは確率論的あるいは統計学的手法を用いて、
言語処理を行えるようになっています。
コンテンツ(絵・音楽・文章)作成にもAIが使われるようになりました。
まとめ
今回のAIブームによりAIの発展は感じるものの、いまだAIの利用は限定的です。
AIがドラえもんのように意識を持つにいたるには程遠いです。研究者の間では
AIが意識をもつというのは笑い話であるとも聞いたことがあります。
現在の過剰が期待が、今までのような研究の妨げにならないことを願うばかりです。